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2019.10.27

低用量ピルと血栓症

避妊目的や生理痛などの月経困難症の改善、月経周期のコントロールなどの目的のために低用量ピルを内服される方が増えています。

ピルの副作用として「血栓症」があります。1960年代に、血栓症のなかでもいわゆる静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)と呼ばれる肺塞栓症・下肢深部静脈血栓症発症の関連が報告されて、現在では血栓症のリスクとされるエストロゲンホルモンの量を減らした低用量ピルが用いられています。

低用量ピルになったことにより血栓症のリスクは減少しており、発症の確率としては1万人のうち、何も飲んでいない人は年間1〜5人、ピルを内服している人では3〜9人とされ、確かにピルを内服する人の方がリスクは上昇するとされていますが、非常にまれといえます。

ただし、年齢が高い方や喫煙されている方はさらにリスクが上がることが知られています。

血栓症の発症は、服用開始90日以内の発症が多いとされており、長期に内服されている方では少ないようです。

それでも、低用量ピルを内服されている方で、明らかな原因がないのに足が痛くなると血栓症が心配になります。

血栓症のスクリーニング(診断)には、血液検査と超音波検査を行います。

大きな血栓が出来ている場合には、血液検査でDダイマーという検査の値が上昇します。

逆に、Dダイマーの値が低い場合には、血栓はないと考えてよいことになっています。

超音波検査では、ふくらはぎや太ももの太い静脈の中に血栓が出来ていないかを観察します。

小さな血栓は、何も飲んでいない方にも見つかることがあり、問題になることは少ないです。

大きな血栓が見つかった場合には、直ちに低用量ピルの内服を中止して、抗凝固薬(血液サラサラ)をの内服を開始します。

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