痛風

痛風とは

血液に含まれる尿酸の数値が高い高尿酸血症が長期化すると、尿酸が結晶化した尿酸塩になります。関節や腎臓などに尿酸塩が析出して沈着し、関節の沈着による急性の関節炎を起こしている状態が痛風です。痛風発作は足の親指に起こることが多く、風が吹いても痛いと言われるほど激しい痛みがあります。


1960年以降に急増しはじめ、1998年度の厚生労働省の国民生活基礎調査では痛風で通院している患者数を約59万人と報告されています。
男女比では、90%以上を男性が占めており、女性の発症は閉経期以降に起こることがほとんどです。これは、腎臓の尿酸排出を促進するエストロゲンという女性ホルモンの影響によるものです。閉経後はエストロゲン分泌が大きく減少するため、発症につながるとされています。

痛風の原因

痛風の原因である高尿酸血症は、その7~8割が体質的な影響によっています。

一方で、過食、アルコールや果物の過剰摂取、ストレス、過度の運動は尿酸値を上昇させます。以前は「贅沢病」「帝王病」と呼ばれた痛風ですが、現在の一般的な食生活では誰もがなる可能性がある病気です。

痛風の症状

関節が腫れて熱感を生じ、激しい痛みを起こします。痛みのピークは症状が現れてから24時間程度で、痛みがなくなるまでには1~2週間かかります。アルコール摂取・ストレス、過激な運動、尿酸値の急激な変化などをきっかけに痛風発作を起こすことがあります。
発作があっても適切な治療を受けないでいると尿酸塩の結晶が析出してコブのように腫れる痛風結節ができます。痛風結節は足の親指の付け根にできることが多く、それ以外にも手足の関節、耳の軟骨、腱、皮下などにできることもあります。また、尿酸塩が腎臓髄質に蓄積すると腎機能障害を起こす痛風腎を発症します。また、尿路結石の発症リスクも上昇します。

痛風の症例写真


親指の付け根の腫れ

足の甲の腫れ

中指の腫れ

小指の腫れ

痛風の検査と診断

血清尿酸値による高尿酸血症の診断、さらに痛風関節炎の発作経験の有無、痛風結節などの症状、関節液の状態を確認します。痛みやコブ状の膨らみなどが起こる病気には関節リウマチ、変形性関節症、偽痛風、外反母趾などがありますので、鑑別のための検査を行うこともあります。
高尿酸血症による合併症の有無や進行状態を確認するために腎機能検査を行い、尿路結石の有無を確認するX線検査、CT検査、腹部超音波検査なども必要に応じて行います。
また、適切な治療のためには他の生活習慣病が合併していないかを調べることも重要です。そのために高脂血症や糖尿病、肥満度、さらに心電図や心エコーなどの循環器の検査も行うことがあります。

痛風の治療

日本痛風・核酸代謝学会ガイドラインに、高尿酸血症の治療方針が提示されています。

●痛風発作の既往があれば薬物治療を考慮

●痛風発作の既往がない場合
  ➢血清尿酸値が8.0mg/dl未満の場合には生活指導のみで経過を観察
  ➢血清尿酸値が8.0mg/dl以上の場合には合併する病態
  (肥満、高血圧症、高脂血症、虚血性疾患、耐糖能異常など)があれば薬物治療を考慮

●血清尿酸値が9.0mg/dl以上の場合には薬物治療を考慮

上記にしたがって、患者さんごとの治療方針を決定します。
尿酸を正常値にコントロールする高尿酸血症の治療には、薬物療法に加え、食事をはじめとした生活習慣改善も不可欠です。

薬物療法では、尿酸生成抑制薬であるフェブキソスタット(商品名:フェブリク)が広く使用されています。治療目標は血清尿酸値6.0mg/dl以下です。尿酸降下薬は長期間の内服が必要となります。血清尿酸値のコントロール状況と副作用のチェックのためにも定期的に血液・尿検査を行う必要があります。

はじめて痛風発作を起こした場合には、高尿酸血症の治療は発作が治まって状態が落ち着いてから行います。その際には、徐々に尿酸値を下げていかないと、急激な降下によって発作を誘発する可能性があるため注意が必要です。
また、尿酸の腎臓への沈着や、尿路結石の発症を予防するため、尿量を通常の倍以上に保つ必要があるため、飲水量を増やすことも重要です。ただし、心疾患、腎疾患等を有する場合は医師に相談が必要です。

肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった他の生活習慣病を合併していることが多いため、食生活を改善して適正体重を保ち、塩分や脂肪分を制限してください。
過度の運動(無酸素運動)は血清尿酸値を上昇させます。個人の運動能力を上回る運動、過度の筋肉強化運動や瞬発力を要する運動は高尿酸血症の予防という観点からは好ましくありません。

治療を続けることが重要です

発作が治まってしまうと高尿酸血症自体の症状はほとんどないため、内服を自己判断で中止したり、飲み忘れを起こしてしまうケースが頻繁にあります。実際に、痛風発作で受診される患者さんの半数が、過去に発作を起こしたことのある患者さんです。
尿酸値が高い状態が続くと再び痛風発作を起こす可能性がありますし、尿路結石や腎不全などのリスクも上昇します。症状がなくても定期的に検査を受け、しっかりコントロールしていきましょう。

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